黒子は勉強が出来る奴なのだと思っていた。それも、全教科ずば抜けて。いつも本を読んでいるから勝手にそう思い込んでいただけなのかもしれない。俺は上靴の先に乗ったそれを片手で拾い、黒子に渡した。彼は特に気にする様子もなくゆっくり鞄の中にしまう。
「お前勉強出来ねぇんだな」
「……失礼ですよ。この程度は人並みです」
「俺はそんな点数取ったことねーぞ」
「嫌味ですか?火神君はアメリカ行ってたんだから当然でしょう」
 少しだけ照れくさそうに(コイツの表情を読み取るのは至難の業で、それが分かっただけでも俺はかなり凄いことをやってのけたと言い張れる)黒子がそっぽを向く。ついさっきまでテストの点数を見られても何ともないようにしていた黒子が鞄の隅を握り締めていた。彼なりに恥ずかしかったのだろう。
「でもお前国語は異様に強そうだからな」
「まぁ……人並みです」
「謙虚だな。どうせ平均90点台ぐらいあんだろ」
「火神君より上であると願いたいですけど」
「俺が国語で90点も取れると思ってんのかお前は」
「いえ」
「即答かよ……!」




両極端
(英語は平均90点 国語は平均30点)



ガッツリ捏造ネタですみません(笑)
(090306)


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