※マキオとマキは双子 という、なんとも自分勝手な設定です
「伊織」でケーキを買った。 進藤が見たらきっと果てしなく嫌がるだろうチーズケーキを二つ抱えている俺を、宮村は「楽しそう」と言った。 続けて「誰かの誕生日?」と少し首を傾げて聞いてくる宮村に「いや、別に」と答えようとすると宮村はそれよりも早く「誕生日プレートつけようか!」と笑った。 彼女は喜んでくれるだろうか。 幼い頃に見た以来だろうその形を思い出しながら、「1つだけに、お願い」と頼んだ。 「そりゃそうだろう」。 宮村はそんな目で俺を見ていた。 家が近付くほどに、手に持った箱の中身の事が気になって仕方ない。 否、どちらかと言えば、その中身を見た彼女の反応が、気になって仕方ないのだ。 ――それは別に「伊織」のケーキの味や見た目を気にしているわけではない。 その点で言えば、「伊織」のケーキはそこらのケーキと比べるまでもなくピカイチだと思っている。 玄関のドアをゆっくり開くと、最初にヨウジの靴が見えた。 「兄ちゃんの分買うの忘れてたけど、まぁいいよな」と思ったのはその時である。 「お帰り」 「……おう」 冷蔵庫にしまおうとしてキッチンの傍にケーキの箱を置いた瞬間、背後から声がした。 ヨウジだった。 こいつはまた、いやまだ、仕事も見つけず家でだらだらしていたんだろう。 ヨウジは目敏くケーキを見つけると少し嬉しそうな顔をした。 「何嬉しそうな顔してんだよニート。お前の分はねーよ」 「はあ!?お前バカじゃねーの!兄に対する尊敬とかねーのかよ!」 「せっかくのマキオの誕生日にまで喧嘩ばかりしないの!」 買い物から帰ってきた母はヨウジだけを殴りつけて洗濯物を取り込みに行った。 ヨウジは不満そうな顔をしていたが、こういうときは弟でよかったと思う。 ◇ 自分の部屋の隣、昔から変わらない楕円の木枠に花を模った飾りが施されたルームプレートにはひらがなで「まきのへや」とある。 それがドアにかけられていた。 いつもこの隔たりを無くすことは容易なのに、今日は緊張した。 震える手でドアをノックすると、暫くしてからマキがひょっこりと顔を出した。 少しきょとんとした顔をしている。 「マキオ。どしたの?」 「ん、いや……誕生日おめでとう」 「ありがとう!マキオも、おめでとう!」 おめでとう、とその語を送ると、マキの顔はすぐに明るくなった。 本当に嬉しい時の顔であることはよく知っている。 やわらかいその微笑みは、それを物語っていた。 「……ありがと。あ、ケーキ買ってきたよ。食べる?」 「わあ!食べる!」 自分も好きなチーズケーキ。マキも好きなチーズケーキ。二人揃って大好物のチーズケーキ、二人揃って仲良く食べよう。
2人で1人
(100416)(2人で1人 1人で2人) 誕生日プレートっていうのかがよく分かんないんだけど 何て言うんだろう…あの「お誕生日おめでとう」とか書いてるチョコのやつ… あとマキオ(マキ)がチーズケーキ好きとか多分そんなことないよ!これ捏造よ! 書いてる途中「これ日付変わったときにおめでとうとか言うんじゃね…」とか色々思ったけど 一応単に双子って言う設定なのでそんな(バ)カップルみたいなことしないか… 書いてから言うのもなんだけどこれ凄く気に入らない!笑 とにかくおめでとう! |